ままならない愛おしい日々

日常。好きなもの。忘れたくないもの、こと。

やさしさ

下の子を抱っこ紐にいれて買い物をすることがよくある。ベビーカーよりも密着するのでお互いに安心するし両手が空くしエスカレーターにも乗れるから便利だ。

先日スーパーで食材を買った後、ふらっとスリコへ寄りベビー雑貨やアクセサリー、最近種類が増えた香り系の商品などを物色し、購入品を決めレジへ並んだ。そして思い出した。しまった、前回ここで買い物をした時、抱っこ紐での袋詰めに苦労したんだった。カップとソーサーを2セット、ほか数点購入してしまったので緩衝材でカップとソーサーを包み、袋へ入れる作業に苦戦した。しかも緩衝材が、絶妙に中腰の位置にあるのだ。セルフで袋詰めするお店が増え、抱っこ紐ユーザーは袋詰めに多少コツがいる。あの時は腰痛もあったから身をかがめるのがしんどかったな。まぁ今回はそんなに買ってないし、腰痛もない。割れ物はあるけど仕方ない。時間はかかるができないわけじゃない。と気合を入れてお会計へ向かった。

マイバックお持ちですか?はい、持ってます。

「ではこちらでお入れしますね。」

お?と思っているとささっと手際よく袋へつめ、ありがとうございました。と笑顔で持ち手をこちらへ向けてくれた。

ありがとうございます、と受け取りそのままお店を出たところで予想していた手間がなくなったこと、その優しさに思ったよりも感動している自分がいた。戻って行ってお礼を言いたい気持ちだ。

接客をしてくれた彼女はそんなに大したことをしたつもりはないだろう。いつも普通にやっていますというような自然な流れだったしとてもスムーズだった。前回のようなことがなければ気遣われたと気付かないかもしれない。

アメリカだったらチップを渡せばいいのだろうけど、ここは日本だし、彼女はチップのためにやったわけではない。袋に入れてくださってとても助かったわ。ありがとう。とその時に伝えられない自分のコミュニケーション力なのか瞬発力なのかわからないが何かの低さにがっかりだ。

もちろんマニュアル通りに対応し、ほかの人(抱っこ紐をしていたり大きな荷物を持っていたりしない人)と同じように袋詰めはあちらでお願いしますと言われても不満は沸かない。何より昨今のセルフレジやセルフ袋詰めの増加で、接客業とは?サービスとはなにか?と混乱しているのはそれこそそれまで働いていた方々だと思う。

 

買い物をしていてたまにある、こういう優しさに出会ったとき、あたたかい気持ちになるのと同時に、その店員さん個人の想像力、スキルの高さに賛辞を送りたくなる。彼らはマニュアルにはないであろうその心遣いをすることで、時給が上がるわけでもないし評価が上がるわけでもない。店長や先輩に、お年寄りや子連れには親切にしろとマニュアルと同時に助言されたから仕方なくやっているのかもしれないし、自分が気持ちよく働くためにやっているというマイプレジャーな人もいるのかもしれない。人間である以上、モチベーションや体調、気分もある。やる側の気持ちは実際のところこちらにはわからないが、どんな動機でもこういううれしさやあたたかさが積み重なって子連れお出かけへのハードルを下げてくれている気がする。

いつぞやのスリコの店員さん、ありがとうございました。あなたに幸あれ。

 

 

 

 

ちなみに購入品はこちら。

玄関に置いたその日に娘がこの石を取ろうとして手を滑らせ玄関のフローリングに傷が入った。そんなこともまぁいいかと思えるいい香りです。