ままならない愛おしい日々

日常。好きなもの。忘れたくないもの、こと。

最近みた暗い映画たち

「正欲」「ある男」「母性」「市子」

ネタバレしまくりです。

 

 

 

正欲

全然思い出せない。特筆することなし。

 

 

 

 

母性

うーん。暗かった。母視点と娘視点で印象が違うのが怖い。親になっても母の愛をずっと受けたかったルミ子。母からの愛がずっとほしかった清佳。どっちも幼い子どものように母親へ依存している。林に囲まれたピンク色の家。黄色い車。ホラー映画のような色味でずっとうっすら不気味で不穏。登場人物もなかなか癖がありこういう人いるよねって感じじゃない。

母性ない親でも子どもって育つけどやっぱり母から愛してほしいよね。愛されていたって思いたいよね。これって母から娘へさらにその娘へ呪いのように繋がっていくよね。

今はママ大好きな娘もそのうち他のことに興味が湧いて友達もできてママよりも友達、彼氏を優先して自分でなんでも決められるようになっていく。それって寂しい気もするけど極めて正常なことだと改めて思った。愛情と依存はちがう。

かわいい子ほど旅をさせろってこんな危険な世の中で簡単に言うなと思ってたけど健全な精神のためにはいろんな角度から物事を見て自分で判断する心を育てた方がいいかも。いろんなことに挑戦する心の基盤を愛情をかけて作ってあげられたらいいな。親って悩みが尽きない。こんな映画みるんじゃなかった、、、ていうのは冗談で母性って題材、いいなぁと思った。男性が描くともっと違った見え方になる気もする。

 

 

 

 

 

 

ある男

とてもよかった。ある男、谷口について調べていくうちに、妻夫木聡さん演じる城戸が、とても親身になり家庭にも影響するほどのめり込み、自分と重ねていることがわかる。死刑囚の息子だったある男は戸籍を変えていた。この仲介人役の柄本明さんが怖かったー。在日だろ?と煽られても最初はフッと笑っている城戸も在日っぽくない在日はつまりめちゃくちゃ在日ってことなんだと言われつい言い返してしまう。ここもよかった。人権派の弁護士で最初からずっといい人で何を言われても困ったような愛想笑いをしていた主人公の感情が見えた。自分の愛した人がもしかしたら犯罪者だったのかもしれないという立場の里枝。息子の何度苗字が変わればいいの?という問いに本当のことを伝える。血は繋がっていなくとも谷口をお父さんと呼び本当の父のように慕っていたこの子と母の関係もとてもよかった。お父さんは犯罪者でもなく本当に自分たちを愛してくれていた、お父さんにとっても幸せな日々だったとわかり、お父さんが死んでしまったことは悲しくないけどさみしい。お父さんに話したいことがたくさんある。と話すシーンは涙が出ました。妹には僕が伝えるよ、と。結果的に死刑囚の孫にあたる妹は将来事実を知った時どう感じるのだろう。でもこの母と兄がついていればきっと大丈夫なんじゃないかな。

ラストシーン、城戸は谷口を名乗っていた。本当に戸籍を交換したのか、旅先でそう語っているだけなのかはわからない。はたから見たら幸福そうでも、本人の苦悩は誰もわからない。ルネ・マグリットの複製禁止という絵画に重なる城戸の後ろ姿。

自分という人間の背景にあるものによって生じる苦しみや生きにくさ。わたしには想像もつかないその重い鎖。考えさせられる作品でした。

 

 

 

市子

今やっているドラマのアンメットを楽しく見ているので杉咲花さんと若葉竜也さんだ!と事前情報なしでみました。

うん。市子。市子ぉぉ〜。。。

ある男でもあった戸籍についての問題がよりリアリティのある感じで描かれている。

離婚後300日問題。名前は聞いたことあって知ってはいるけれど、どういう経緯で無戸籍の子が発生し、その後どんな人生を送る可能性があるのか、ということがわかる。

わたしも見終わった後この問題やそれについての取り組みについて調べてしまった。そういう意味ではとても意味のある作品だと感じた。

アイデンティティとは。自分ってなんだろう。

当たり前に戸籍もあるし公に名前も書ける。

それがなく、自分を偽りながら生きていかないといけないとしたら。

考えさせられる作品でした。

筋ジストロフィーの妹の呼吸器を外すシーン、しんどかった。。

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁ。。

それにしても見たい映画がたくさんある。

そろそろ沖田修一さんの映画がみたい。

定期的にみて癒されたい。大好きな監督さん。

さかなのこ、まだみてないからたのしみだな。